家づくりは“夫婦共同作業”

平成 25 年8月下旬に待望の我が家が完成し、9月初めに引っ越しました。
夫婦の間で建替えが話題になるようになった平成 24 年5月以降、新居が完成し入居するまでの1年数か月余りの様子をまとめてみました。
我が家を建てるのは、多くの人は一生に一度であり(私の父親は3回経験しましたが)、まずどこから手をつけたらいいのか分からないことが多いと思います。
私の拙い経験がお役に立つか分かりませんが、これから自宅を建てようとする方々の参考にしていただければ幸いです。


1.建替えを決めたきっかけ

建替前の我が家は、築 40 年以上経過し、至る所が老朽化しており、今の住宅と違い断熱も十分でないため、夏暑く、冬寒い状態でした。10 数年前にリフォームはしましたが、建物全体が痛んできており、耐震上も基準をクリアーしておらず、さらに、平成23年6月の台風では、2階のベランダの庇が壊れるなどのトラブルに見回れました。また、平成26年4月から消費税がアップするため、その前に建替えようと決心した次第です。


2.建築をお願いするまで

家族構成を考えた家づくり

私は、50 代後半で妻と次男の3人暮らしです。この年代で家を建てるのと、子育て世代に家を建てるのでは、おのずと家の大きさや間取りも異なります。将来、次男が家を離れ、妻と二人で暮らすことになった時のことを考えると、大きな家は掃除も大変だし、費用も掛かるので要りません。
最初は平屋も検討しましたが、次男の部屋を考えると間取りがうまく収まらず、平屋風で一部屋だけ2階にしました。

建築工法の選択

住宅にはさまざまな建築工法があり、どの工法も一長一短があります。同じ大きさの住宅を建てる場合でも費用や工期もかなり差があります。年齢的なこともあると思いますが、私は、木を多く使った従来の木造軸組工法が気に入り、業者もハウスメーカーではなく、地元の業者に建ててもらうことにしました。

業者に会う前にできること

家族で話し合い、どんな部屋が必要か、また、部屋ごとの仕様や大きさ、外観、設備などを分かる範囲でいいのでまとめておくと、業者に説明する際に便利です。
業者の希望一覧のような資料に記入する方法もありますが、いくつかの業者と話をする場合、その都度記入したり説明するのは面倒なので、業者の資料を参考にして自分で作る方法をお勧めします。

また、部屋の間取り(平面図)については、市販(あるいは無償)のソフトも出回っていますが、エクセルでも簡単な間取りは作ることができます。エクセルのシートを開き、セルの列を幅 3.88、行を高さ 27.00 に設定すると、一つのセルが0.5 畳の正方形になり、3×4=12 個のセルで6畳の部屋ができます。これをいくつか作って並べると平面図ができ、印刷するとほぼ1/100 のスケールになります。これで大雑把なイメージは沸き、業者に見せれば、きれいな図面を作ってくれるはずです。


夫婦(家族)で見学会に出かけよう

今は、ネットで住宅に関するさまざまな情報を収集できますし、一度に数社の資料を取り寄せることもできます。
情報を収集して、気に入った(気になる)業者が見つかったら、見学会に夫婦で出掛けましょう。
地元の中小業者の場合、常設の展示場は少ないですが、建築途中あるいは完成した住宅の見学会を開催しているので、実際に見て、業者の方と話をすることが重要です。
私も妻といくつかの業者の見学会に参加し、会社にも伺って話をしましたが、これを繰り返すことにより(この間4~5か月費やしました)、その業者が作る家の特徴や、会社の方の考え方が見えてきて、どこに頼むかが決まってくると思います。
また、間取り図や概算工事費も依頼すれば、たいていの業者は無償で作成してくれるはずです。

業者の決定

いくつかの業者と接し、間取り図や概算工事費の資料も揃ってきたら、夫婦(家族)で話し合い、どこにするか検討します。
その際、経費面については、工事費や坪単価だけでなく、解体費用や外構工事費、仮住まい、登記などの経費を含めた比較表を作成します。工事費以外の経費についても業者に頼めば概算額を出してくれます。
ただ、最終的には、金額だけでは決められないと思います。その場合、最近住宅を建てた知り合いがいれば、意見を聞いてみたり、見学会に出かけた住宅に入居した人に様子を聞くのも一つの方法です。
私もこのような方法で周りの人の話を聞き、頭の中でどの業者にするかほぼ決めた上で、最終的には、自分で自分を納得させる意味もあり、候補の複数業者を点数比較(スタイル、間取り、価格、社風、応対などを5段階評価)して、私と妻それぞれの点数が最も高かった駿河工房に建築をお願いすることにしました。


3.住宅を建てるにはお金がかかります

住宅ローン

住宅を建てる際に、全額自己資金で賄う人もいるかと思いますが、多くの方は住宅ローンを利用すると思います。
住宅ローンの情報もネットで調べることができます。銀行のHPにアクセスすれば、月々の返済額などのシュミレーションも可能です。
ただし、金融機関によっては、金利は低いが手数料が高いところもあり、一概に決めることはできません。このため、いくつかの金融機関のローンセンターに行き、金利や支払利息だけでなく融資手数料や保証料も含めた総額の資料をもらい、比較表を作成します。

なお、金融機関との取引状況(給与振込や公共料金引落の有無)や、勤務先、勤務年数などにより融資条件が変わる場合があります。
給与振込先や勤務先の変更は難しいと思いますが、ネット取引やローンカードを作成すれば金利が下がる場合もあり、これらは使用しなくても申し込んでおけば、多少有利になります。
いくつかの金融機関のローンセンターに行き、話しを聞き、資料をもらい、最終的には、支払総額が少ないⅩ銀行に決めました。

その他の費用

建物本体の費用以外にも、必要な経費があります。私のように建替えの場合、土地代はかかりませんが、もとの家の解体費用や、仮住まいのアパートの家賃、2回分の引越費用も必要になります。
さらに、火災保険・地震保険も意外に高く、建物の登記費用や、目に見えない支払もあります。
実際に総額でいくらかかったかを記録しましたが、建物本体の費用×約3割=その他の費用(解体費用、仮住まい費用、外構工事、登記、火災保険料、家具購入費など)となりました。
住宅を建てる場合、これらの費用も忘れずに考えておくことが必要です。

なお、太陽光発電を設置したり、地元の木材を利用する場合などには、国や自治体の補助金を受けることができます。申請の手続きは業者が代行してくれます。
私もいくつかの補助金(合計で 160 万円程度)をもらうことができましたが、補助金を受け取る時期が建物の完成後になり、タイミングとして建設費の支払に充てるのは難しいため、もらった補助金は住宅ローンの返済財源に充てるようにしました。


4 業者の決定から完成まで

駿河工房に建築をお願いし、住宅が完成するまでの主なスケジュールは次のとおりでした。
24 年 9 月下旬 設計申込 25 年 1 月中旬 契約 2 月 22 日 アパートへ引越し2 月下旬~3 月下旬 解体工事 3 月 27 日 地鎮祭 4 月 30 日上棟式6 月 23 日 構造見学会 8 月 24~25 日 完成見学会 8 月 31 日 完成・引渡し9 月 2 日引越し建物本体の工期としては、3 月 27 日の地鎮祭から 8 月 31 日の完成・引渡しまでの5か月ですが、設計申込からだと、ちょうど1年(その前の検討期間を含めると1年5か月くらい)でした。

設計を申し込んでから

設計を申し込むと駿河工房では、詳細な図面や建築確認申請の書類を作成していきます。これと平行して、間取りや内装、キッチンや照明等の設備など細かいところまで決めていくため、完成まで何回か打合せを重ねていきます。
この打合せは、休日に会社に行ったり、システムキッチンのショールームで打合せしたり、平日の夜自宅に来てもらい打合せを行うこともあり、その都度、夫婦で参加しました。
妻には技術的で理解できないこともあったと思いますが、特にキッチンは主婦の夢であり、また、自宅にいる時間が多い妻が行う家事の導線などは、妻の考えが優先されると考え可能な限り夫婦で参加しました。

不用品の処分

打合せとともに大変だったのが、40 年以上住んだ自宅の不用品の処分でした。家の中には昔からの物が山ほどあります。
夫婦の間で建替えが話題になるようになった平成 24 年5月以降、少しずつ、少しずつ処分していきました。
不用になった本を束ねるのに1日で紙紐1束を使い切り、処分する家電や不用品を指定された日に収集場所に運ぶのに車で何度も往復しました。個人情報が記載された書類はシュレッダーで裁断しました。

この中で、「断捨離」という言葉を知りました。物欲を断つ・捨てる・離れるという意味です。
使っていない物は処分し、新しい物が必要になったら古い物は捨て、物は増やさない。普段はなかなか実践できませんが、建替えを契機に、とくかく使っていない物は捨てました。
こうして、解体業者に処分してもらったタンスやソファーといった大型の不用品以外は、ほとんど夫婦で処分しました。
廃棄物処理業者やリサイクル業者に頼む方法も考えましたが、大小の不用品が家中に混在していたため、小さい物を処分しないと、大きい物までたどり着かないという実情もあり、自分達である程度処分したというのが実態です。

アパート探し

建替えが済むまでの約半年の間、仮住まいの場所を探さなければなりません。
自宅の別棟に住んでいる両親の介護が必要なこともあり、近くのアパートが空いていたので決めました。愛犬もいっしょに引越しです。

地鎮祭と上棟式

3月下旬に解体工事が済み、3月 27 日の地鎮祭が滞りなく終わると、いよいよ着工です。約1か月で基礎が完成すると、上棟式の運びとなります。4月 30 日の上棟式はあいにくの天気でしたが、午後には雨も止んで無事終わることができました。
地鎮祭や上棟式も業者によってやり方はまちまちですが、業者に言われたようにやれば間違いないと思います。また、近所への挨拶も忘れずに。

工事が進むにつれ

上棟式が済み、工事が進むにつれ、徐々に家の内外が見えてきます。現場の職人さんや現場監督の手が空いている時は、進み具合を聞いたり雑談をして、気持ち良く仕事してもらえるようにする
ことも必要かと思います。その辺りは妻が上手でした。
私の家の周りは田舎ですので、自宅の前に小さい水路が流れています。隣の農家のおばさんが、水路に落ちないよう余った木で細工してほしいと大工の棟梁に頼み、棟梁が快くやってくれたという話をあとで聞きました。
これには私も驚きましたが、これも私の妻が、日頃から職人さんや現場監督と気さくに話をしていた賜物と解釈しています。
職人さんにお茶やおやつを出すかは、ほとんどの業者からは不要との答えが返ってくると思います。
駿河工房もそうで、棟梁からも遠慮すると言われましたが、工事の節目などには、気持ちとしてペットボトルなどを渡しました。
また、工事の進捗に合わせて現場での打合せも行っていきます。その段階では業者から渡された詳細な図面と現場をできる限り確認していくようにしました。
丁寧な工事で定評のある駿河工房ですから、もちろん手抜きなどは考えていませんが、今回建てる住宅は、斜め天井や2階がロフト風になっており、図面ではイメージが沸かないため、職人さんの邪魔にならないよう、休日に現場を見るようにしました。幸い玄関の鍵を預かっていたので、休日に自分の目で確かめ、工事の進捗をカメラに収めるようにしました。やはり現場を見ると、変更したい箇所も出てきますし、当初は予定していなかったエアコンを設置してもらうなどの追加や変更にも、その都度対応してもらいました。

いよいよ完成

6月と8月の見学会には多くの見学者が来場しました。見学会の時期を含め、昨年の夏は特別暑さが厳しく、その中で職人さんに一生懸命作業していただき、平成 25 年8月下旬に待望の我が家が完成、9月初めに引っ越しました。

その後、9月下旬まで外構工事が入り、最終的に完成したのが 10 月初め。
今思えば長いようで短かった1年数か月でした。完成までお世話になった駿河工房の今井社長、営業の村松さん、設計の山崎さん、現場監督の副島さん、そして工事に携わっていただいた業者や職人の皆様に心から感謝いたします。
さらに、いっしょに家づくりをした妻には、「ご苦労様」、そして、「これからもよろしく」という気持ちで一杯です。



5.完成してからが住まいづくり

やはり、新しい家は快適です。
入居したのが9月初めなので、真夏の暑さは経験していませんが、深い軒が夏の日差しを遮ってくれ、窓を開けておけば風が通るため、それ程暑さは感じませんでした。
また、冬は窓を閉めておけば、断熱が効いており、昼間は日差しが入るため、エアコンも朝晩少し使うくらいです。

住んでみて感じたこと

今は、どこの家でも多くの家電を使用しています。家電を使う時に必要になるのがコンセント。
業者との打合せの中でも、コンセントの数や位置・高さについては、いろいろ検討しましたが、
実際住んでみると、通常使用するテレビや冷蔵庫などは支障はありませんが、季節家電(夏の扇風機、冬のストーブ・加湿器など)のコンセントが足りなかったり、位置が使いにくいなど問題(という程のものではありませんが)がありました。

また、夜中でも足元コンセントやスイッチの薄明りがあるため、照明を消しても意外に明るいことを知りました。照明について言えば、照明用リモコンスイッチは、使い勝手を実際に試してみてからにした方がいいかと思います。

両親の介護

新しい家は快適と言いましたが、実は、引越をしてから家でゆっくりできない状況がしばらく続いていました。
自宅の別棟に住んでいる両親の介護が必要になり、昼間は訪問看護やヘルパーに来てもらい在宅介護、夜は妻と交代で付き添いをしていました。
また、病状が急変し救急車で病院に搬送したり、入退院を繰り返す日々が続きましたが、両親ともに入院し、計らずも、ようやく新居でゆっくりできるようになりました。

両親が暮らしていた別棟の住宅は、築25年経過し、段差も多くバリアフリー対応の住宅とは言えません。リフォームも検討しましたが、最近では介護用品もかなり進化しており、レンタルの手摺りが活躍しました。
新居についても手摺りの設置を検討しましたが、現場監督の副島さんの「完成してからが住まいづくり」という言葉もあり、身体の状況に応じて必要なリフォームや介護用品で対応した方がいいと考え、将来、身体が動かなくなる(その少し前に)駿河工房に相談しようと考えています。


6.最後に

家づくりには、かなりのエネルギー(そして資金)が必要ですが、少しずつ出来上がっていくのを見るのは楽しみです。
これから家づくりをされる皆さんには、奥様やご家族とともに家づくりを楽しんでください。
職業柄、硬い文書になり、読みにくい点があったかと思いますが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。