設計の作法

敷地から、家族の想いから
見えてくる形を探す。

プランをつくる上で、最初の手がかりは敷地にあります。その土地の自然や気候、風土、暮らしぶりに寄り添う「住まい」をつくるためには、設計士が自らその 敷地に立ち形や広さ、向き、土地の成り立ちや視界、町並みや周辺環境、陽あたりや風の抜け方など、さまざまな条件を整理して分析しながら、その土地のもつ 魅力でもある「地味」を読み取ります。それぞれの敷地の「地味」を読み取ることで、建物の構造的にも無理がない暮らしに寄り添うここちよさを、その敷地に 現してゆくことができます。



気象条件を読む。

ここちよい暮らしの条件は、四季を感じることができ、気候風土に合った配慮がなされていることだといえます。季節ごとの日照、風向き、頻度、温度や湿度な ど、気候風土は住まいの快適性を決めるうえで、基本かつ重要な要素になります。私たちが暮らす静岡県中部地方は、全国的にも日照時間が長く、比較的温暖な 地域で、冬は西からの風が強く、夏は南からの心地よい風が吹きます。こうした気候特性を十分に踏まえたうえで、それに適したしつらえをとりいれてゆくこと が設計において重要なことです。例えば夏の強い日差しをさけ、冬のやわらかな陽ざしを受け入れる屋根の工夫や、室内と外を風通し良くつなぐ開口部の工夫、 室内気候をしなやかに調整するための深い軒など、夏涼しく、冬に暖かかく暮らすための工夫を積極的に取り入れています。



暮らしを読みとる。

敷地の特性を読み取ることと同時に、家族の暮らしぶりを読み取ることもプランニングには欠かせません。家族にとって必要なこと、新しい家では、どんな暮ら しをしたいのか。生活の中で不便に思っていることや、解消したいこと。大きな夢から、日常の細々とした事柄まで。これからどう暮らしたいのかを、お尋ねす る「設計ノート」に住まい手自身に具体的に記入していただき、相互の細かいやりとりを通して、何を優先するかを決めながら、暮らしへの想いをカタチにして ゆきます。



ここちよい住まいの基本性能。
風の道、太陽の道。

気持ちのいい空間には、自然の中にいるようなここちよさがあります。いい風が抜けるリビングだったり、太陽の光が明るく降り注ぐダイニングであったり、あ るいは木々の緑に続くデッキであったり。そこで私たちは気持ちのいい風の流れを考えます。新鮮な外気を運び込む「風の道」をどう招き入れどう抜けてゆくの が理想なのか。重要なのは、部屋の隅々まで風が渡ってゆくことです。そしてもう一つ盛り込むのが「太陽の道」です。住まいには、場所に応じた光の採り方が あり、リビングやダイニングは明るく、寝室や和室は落ち着いた明度に。また明るさとともに、太陽の熱をコントロールして生かすことも重要です。季節によっ て異なる太陽の高さを配慮して家の向きや、窓の位置や大きさを決めてゆきます。



設計の作法 パッシブデザイン 住まいを守る
「創る」こだわり 庭を創る